現代人によく見られる「肩呼吸」は、心身のストレスの強さを象徴する行為です。イルチブレインヨガでは、呼吸を深くすることで、呼吸の中心を体の中心である丹田(たんでん)へと近づけていきます。
生まれたばかりの赤ちゃんの呼吸を見ると、下腹が上がったり下がったりしています。実は人間は、赤ちゃんのときはお腹を使って深い呼吸をしているのです。
しかし、多くの現代人は、年齢が進むにつれて呼吸の中心が徐々に上へ移動していきます。
腹式呼吸が「胸呼吸」になり、やがて吐く息がとても浅い「肩呼吸」に変わっていきます。お年寄りや病気している人は、呼吸のたびに肩が上下に動きます。
呼吸は、自律神経と深い関係があり、息を深く吐くと「副交感神経」が刺激されるといわれます。副交感神経は「リラックスの神経」といわれており、ストレスをやわらげる働きがあります。深呼吸をすると気持ちにゆとりが生まれるのはこのためです。
しかし、現代人は副交感神経よりも、ストレスの神経である「交感神経」が優位になりやすいとされ、これに伴って呼吸も浅くなります。呼吸が浅いと、「イライラ」や「怒り」といった感情が募りやすくなります。
イルチブレインヨガ呼吸法をすると、副交感神経が優位になりやすくなります。とくに、体の中心であるへその下の丹田を意識する「丹田呼吸」を行うと、気エネルギーが全身をめぐり、血行が改善されます。内臓の働きも活発になり、リンパ液の循環もスムーズになります。
本講座では、丹田呼吸の方法と実践をお伝えいたします。
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